日本語による「哲学エッセイ」を確立した文筆家・池田晶子は、2007年 春、さいごまでペンを手放すことなく、駆け抜けるようにこの世を去りました。
著者の意思と業績を記念し、新しい言葉の担い手に向けて、「(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞」 をここに創設いたします。
この賞は、ジャンルを問わず、ひたすら考えること、それを言葉で表わし、結果として新たな表現形式を獲得しようとする人間の営みに至上の価値を置くものです。考える日本語の美しさ、その表現者としての姿勢と可能性を顕彰し、応援してゆこうとするものです。
この賞は、作品に対して授賞するものではなく、賞の趣旨に相応しい人物に対して授賞するものです。個別の作品は選考の対象のひとつにすぎません。
賞の選考は、個人賛助会員をはじめとする当法人の会員が事務局に推薦した候補者のなかから、また投稿作品を添えて自らを推薦した応募者のなかから、賞の創設関係者等を中心とする会員の選考メンバーが当該年度の授賞を決定します。会員の推薦を前提に選考することは他の文学賞などと大きく異なる点のひとつであり、この賞が、NPOの非営利活動の一環として行なわれている顕彰であることを示すものであります。
なお、選考過程に関する事項は一切公表いたしません。
この賞の基本的な姿勢は、
(一)、その表現者の全体像を選考の対象と置くことにあります。
言葉でしか表わせないものを語り、語り得ないものを言葉にしようと努め、試みる人、言葉を信頼しつつ、言葉の在ることを深く疑い続け、あるいは考えることや感じることが、その人の実人生の事実を超えて、言葉と一体化して在る人。語られる言葉の真実をこそ求めようとする、そのように在ることしかできないような、いわば、言葉と討ち死にすることも辞さないとする表現者のあり方こそ、顕彰すべき事態だと我々は考えます。
特定の作品のみならず、その表現者の言葉に対する志と姿勢、可能性を認め、応援してゆこうとする点にこの賞の目的があります。
(二)、その表現者の独自性を選考の尺度とします。
優れた表現者とは、独り、徒手空拳で新しいスタイルを否応なく創り出してしまう人であると考えます。
それが新しいスタイル、新たなジャンルとして認められるか否かは、むしろそれを受容する側の能力の問題です。たとえば哲学、文学、評論などといった既成の枠組みに囚われず、あるいは飽き足らないと感じているなかにこそ、次代を担う才能が潜んでいると我々は考えます。
以上の姿勢をもって、我々は選考に臨むものです。
したがって、選考の対象とする作品は、日本語で書かれたものである限り、ジャンル、スタイルを問わず、候補者の知名度に左右されず、未発表、既発表の如何を問うものではありません。
この賞は、賞の創設関係者が中心となって設立した「NPO法人 わたくし、つまりNobody」が主催、運営するものです。
当法人内に設置する事務局が実務を担当いたします。
当法人の活動は、多くの個人会員と団体会員の方々の賛助によって支えられ、その篤志と協賛、寄付によって維持されています。すなわち、この賞は、新しい言葉の担い手を励まし応援しようとする多くの人々の連帯によって成り立っているものです。
顕彰は、年に一回、行ないます。
初春に、過ぐる年度を中心とした作品と候補者を選考し、その後、当公式サイト上で受賞者を発表します。
なお、選考過程、選考結果に関するお問い合わせには一切応じません。
3月下旬に表彰式および記念講演会を開催いたします。
正賞として記念メダル「メビウスの帯」を、副賞として賞金100万円を、受賞者に贈呈いたします。
作品を投稿される場合は、以下の事項を厳守ください。
■ 締切
10月末日事務局到着分まで(受付は随時)
■ 枚数 不問
■ 原稿について
原稿は、必ず紙に清書もしくはプリントすること
表紙に、作品名・筆名・400字詰換算枚数、添付物の有無を明記すること
*ただし、電子データのみでの投稿は不可。
■ 必須書類(電子データがあれば添付すること)
1. 作品原稿(紙に印字したもの)、あるいは作品が所収された書籍(印刷刊行物)
2. 別紙A 本名、住所、電話番号、年齢、略歴を明記
3. 別紙B 「作品の要約」(1000字程度)および「自薦の言葉」(1000字程度)
*投稿後の訂正は、受け付けません。
*原稿および添付物は一切返却しません。
*記載事項に虚偽があった場合、選考の対象としません。
*ご記入いただいた個人情報は、受賞者の発表、該当者への連絡以外には使用しません。選考後、受賞者以外の個人情報は速やかに廃棄いたします。
〒103-0021
東京都中央区日本橋本石町3-3-16
日本橋室町ビル7F
NPO法人 わたくし、つまりNobody 事務局
■ 注意事項
以下の注意事項をご了承の上、ご投稿ください。
1. 選考対象となった作品が、第三者の著作権・著作者人格権を侵害し、または侵害する恐れの生じた場合の処理と責任の一切は、当事者である作品の作者に帰するものであります。この賞および当法人は、その責を負わず、紛議紛争が生じた場合には一切関与いたしません。
この賞の受賞者に、受賞前および受賞後において、第三者の著作権・著作者人格権を侵害する明らかな事実が判明した場合には、遡って当該受賞を失格、無効とする措置をとりますのでご了承ください。
2. 受賞者とその実績とされた該当作品については、この賞を受賞された事実と併せて、受賞者の紹介と作品の内容紹介を印刷物、ホームページ等によって告知、公表いたしますのでご了承ください。