わたくし、つまりNobody賞

2009年 第2回

大竹伸朗 大竹伸朗 大竹伸朗

【略歴】

画家。1955年、東京都生まれ。高校卒業後、北海道別海町の牧場に住み込みで働く。77年から78年にかけてロンドン滞在。80年、武蔵野美術大学油絵学科卒業。82年、初個展を開催、以来、国内外で精力的に活躍する。2006年、東京都現代美術館にて「大竹伸朗 全景 1955-2006」展開催。2012年、ドクメンタ参加(唯一の日本人作家)。同年、ソウル・アートソンジェ個展。2013年春より、香川県女木島で廃校を作った大規模インスタレーション開始(長期プロジェクト)同年、夏より、MIMOCA 丸亀市猪熊弦一郎現代美術館で大規模個展、愛知県のINAXライブミュージアムで陶器展。たえず新しい価値観を提示し、美術界の閉塞状況と闘い続ける姿勢は、アート・シーンを超えて幅広く熱い支持を得ている。 2009年、第2回「(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞」を受賞。

【授賞理由】

単行本『見えない音、聴こえない絵』、また月刊誌「新潮」における同タイトルの連載を通じ、「言葉、あらゆる事象」に対して常に鋭敏であること、さまざまな疑問を投げかけそれを突き詰めていこうとする姿勢を、高く評価します。 「新たな表現形式を獲得しようとする人間の営みに至上の価値を置く」という、本賞の趣旨にふさわしい人物と考え、また今後の更なる意欲的活動に期待し、当賞を贈ります。

【ブックリスト】

見えない音、聴こえない絵
見えない音、聴こえない絵

尽きることのない創造への衝動、その原点たる少年期の追憶から、「全景1955‐2006」展へ向けての軌跡、創作の日々のなかで心に浮上する現在と未来を記録した待望のエッセイ集。

新潮社
2008年12月刊

大竹伸朗 全景 1955-2006
大竹伸朗 全景 1955-2006

2006年10月14日〜12月25日に東京都現代美術館の企画展示室全フロアを使用して開催された空前絶後の大回顧展「大竹伸朗 全景 1955-2006」。約2000点におよぶ全展示作品はもとより、会場展示風景も収録。プレミア・チケットとなった会期中のライブの音源など、CD二枚つきで展覧会を完全再現! 詳細な年譜や文献表をはじめとする資料も充実した、圧倒的なボリュームの一冊。

grambooks◆定価9,000円(本体価格)
2007年10月刊

ポ 大竹伸朗×アイデア ポスター全集
ポ 大竹伸朗×アイデア ポスター全集

1999年から2006年にわたって大竹伸朗が「アイデア」で連載していた付録ポスター全85点すべてを収録したグラフィックワークスの集大成。

誠文堂新光社
2012年2月刊

ネオンと絵具箱
ネオンと絵具箱

起きぬけに池の金魚とメダカに餌をやる日常のヒダの間に唐突に言葉の洪水、何の役にも立たぬ文字の束が押し寄せる。ネオン管に絵具のにおいがからみつくような日々をつづるエッセイ集。

月曜社
2006年10月刊

権三郎月夜
権三郎月夜

別府生まれの黒犬、権三郎。港町の藍色の闇夜をぶらぶらするうちに、不思議な世界へと引き込まれ……。表題作と「覗岩テクノ」の2話を収録。新しい価値観を示し続ける画家、大竹伸朗による画譚集。

月曜社◆定価1,600円(本体価格)
2006年5月刊

既にそこにあるもの
既にそこにあるもの

常に次の作品へと駆り立てる「得体の知れない衝動」とは?
〈「既にそこにあるもの」という言葉は、あれから自分の中で微妙な発酵を繰り返しつつ、時に内側からこちらに不敵な笑みの挑発を繰り返す〉。
新作を含む木版画30点、カラー作品、未発表エッセイ多数収録。

ちくま文庫◆定価1,400円(本体価格)
2005年4月刊

カスバの男──モロッコ旅日記
カスバの男──モロッコ旅日記

やむにやまれぬ旅への衝動にかられ、モロッコの土を踏んだ画家が、アーティストならではの鋭い目で、熱風うずまく町の風景や逞しく生きる人々の姿を自由な言葉で描きだす、異色の旅日記。

集英社文庫◆定価520円(本体価格)
2004年7月刊

UK77
UK77

大竹伸朗がロンドンで過ごしたおよそ1年間に撮りためた、または(拾い)集めた「すでにそこにあるもの」たちを厳選・再構成した作品集。写真+画+貼膨による本格的なアーティスト・ブック。

月曜社◆定価7,000円(本体価格)
2004年7月刊

ジャリおじさん
ジャリおじさん

鼻の頭にヒゲのある(!)ジャリおじさんの冒険物語。
長い道を歩いていくと変なことが起こるのです。
現代美術の旗手、大竹伸朗が贈るナンセンス絵本の傑作。
第43回小学館絵画賞受賞作。

福音館書店◆定価1,000円(本体価格)
1994年11月刊

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