1996年、神奈川県横浜市生まれ。 日本人の母とセネガル人の父のもとに生まれる。 学習院大学文学部フランス語圏文化学科卒業。 noteに投稿したエッセイ「パパと私」がX(旧Twitter)上で大きな注目を集め、著名人からも高い評価を受ける。 これをきっかけに、文筆家としての活動を本格化。 2024年6月14日、デビュー作となるエッセイ集『存在の耐えられない愛おしさ』(KADOKAWA)を刊行。 同年11月に『アワヨンベは大丈夫』(晶文社)、翌年に『わたしの言ってること、わかりますか。』(光文社)、『変な奴やめたい。』(ポプラ社)を刊行。 ラジオパーソナリティやメディア出演など、文筆業以外でも精力的に活動している。
「わたしの言っていること、わかりますか」
伊藤亜和さんの本のタイトルにもなっているこの言葉に、もどかしさや腹立たしさ、畏れや不安ではなく、言葉を信じたいという切実な思いを強く感じます。私たちは言葉を使ってこの現実世界をともに支え、作り上げていくことができる──言葉にはなおその力があるという希望が、そこに示されています。
表現とは、うまく言うことでも巧みに語ることでもない。見知らぬ者同士が、たしかに同じ現実を生きているということを確かめあう──そんな表現もあるのです。決して声高に主張することなく、相手との距離を損なわぬよう、この儚い現実をそっとすくいあげる伊藤さんの手つきは、きわめて繊細で美しい。
優しくあることがむずかしい現代社会にあって、それでもなお優しくあろうとするその覚悟、その姿勢を心から応援したい。以上の理由をもって当賞を贈ります。
私が私でいるだけなのに、それ自体が悪いことのように思えていた──セネガル人の血を引くルーツ、容姿からくる周囲の勘違い、うまくコントロールできない自意識。「変な奴」をやめたいと願っているのにやめられない葛藤を、ユーモアをまじえて綴る人気連載に5本の書き下ろしを加え書籍化。恥ずかしくも愛おしい子ども時代を振り返り、今の自分を見つめ直すエッセイ。
ポプラ社◆定価1,600円(本体価格)
2025年11月刊
セネガル人の父を持つ「ハーフ」ゆえに日本語に執着してしまうという著者。“それでも、私は日本語が好きだった。椎名林檎の歌が好きで、谷川俊太郎の「信じる」が好きで、男の人がふと漏らす「あら」の響きが好きだった。日本語は美しいと、感じることができる自分が好きだった”──残酷でやさしくて美しい言葉との邂逅を独自の視点ですくい上げ、唯一無二の世界を紡ぎ出す。新進気鋭の文筆家による、言葉にまつわるエッセイ集。
光文社◆定価1,600円(本体価格)
2025年4月刊
日本人で文学好きのママと、セネガル人のキレやすいパパの間に生まれた亜和と弟。おだやかな祖父と口うるさい祖母、そして海の向こうにいるまだ見ぬ姉など、いずれも個性的な家族たちが織りなす、愛と旅立ちの物語。晶文社スクラップブックで大評判だった連載に、note記事、書き下ろしを加えた、せつなくも愛おしいエッセイ集。
晶文社◆定価1,600円(本体価格)
2024年11月刊
父の日、X(旧Twitter)上にぽつりと投稿されたnoteの記事「パパと私」が瞬く間に話題となり、著名人の目に留まった。その淡々とした語り口で紡がれる物事の数々は、われわれの世界の解像度を少しだけクリアにしてくれる。彼女のフィルターを通して見えている世界を体感し、彼女の一端に触れることが出来る、家族、人間、愛にまつわる珠玉のデビュー作!
KADOKAWA◆定価1,500円(本体価格)
2024年6月刊