1991年、東京都生まれ。学校、企業、寺社、美術館、自治体などで、人びとと考えあう場である「哲学対話」を行う。哲学エッセーの連載も。独立メディア「Choose Life Project」や、坂本龍一・Gotch主催のムーブメント「D2021」などでも活動。著書に『水中の哲学者たち』(晶文社、2021年)など。詩と植物園と念入りな散歩が好き。
永井氏は、仲間を集めてアゴラを作りたいのではないか? それは、無知の知をわかった上で、問いたい、知りたいことが、いつもあふれているからなのだろうが、更に、人の問いも知りたいのであろう。結果として、その多くの問いに明確な答えは出ず、問いは問いを呼び、更なる深み(水中)にはまるばかりなのだが、それをヨシとする姿勢は凜々しい。出ない答えを求めてもがくその姿を、あえて人々(読者、子ども)に見せる人だからこその信頼感もある。哲学者の役目は、自分で考えるだけでなく、人に考えさせることでもあったのだから、その実践は、正しい。これからも、どんどんいろんなことにぶつかって欲しいとの期待を込めて当賞を贈ります。
海の中での潜水のごとくひとつのテーマについて皆が深く考える哲学対話の実践を通して、哲学のおもしろさ、不思議さ、世界のわからなさを伝える哲学エッセイ。
晶文社◆定価1,600円(本体価格)
2021年9月刊