池田晶子『残酷人生論』、刊行のお知らせ!

2010年11月10日

『残酷人生論』旧著の絶版により、長らく入手できなかった『残酷人生論 あるいは新世紀オラクル』が、ハンディな装いも新たに増補新版として登場します。
雑誌「Ronza」に「新世紀オラクル」のタイトルで連載した作品をベースとする旧著の内容を網羅し、旧著に未収録の関連作品一篇を加え、連載時の著者の雰囲気が伝わるよう全体を再構成した新版です。
刊行に際し、新たに「池田晶子・著作案内」と著者略歴を付しました。

この一冊は、のちの『14歳からの哲学』『14歳の君へ』などに連なる、著者にとって思い出の深い作品です。
はじめてこの作品に出会われる方はもちろん、旧著を読まれている方も、新しい印象とさまざまな驚きを、そこに発見することでしょう。

「わかる」力は、愛である、知識と情報、私、自由と善悪、神と宗教、死、魂、そして、幸福という能力について――。
「大人のための哲学」を語る、魂の一冊。
どうぞ、お読みください。

「残酷人生論」。
なんだ、これは。
何の書かというと、たんなる思考の書である。
しかし、この「たんなる」の、世にいかに困難であることか。
……考えることは、悩むことではない。
      (プロローグより)

いえ、べつに難しいことなんか言ってないのである。
あんまり当たり前なので、かえって難しいように感じるだけである。
たとえば、生きて死ぬのは、なぜですか。
あなたであるのは、なぜですか。
      (「神」と宗教)

池田晶子『残酷人生論』
11月13日(土)発売。
毎日新聞社・刊/定価1,000円(税込み)

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