皆さまに御礼を申し上げます。
第17回「(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞」と第2回「哲学甲子園」の表彰式が、
3月27日の夕刻5時半から神保町の出版クラブ・ホールで開催され、
盛会のうちに終了しました。
当夕は、全国から、NPOの会員、読者の方々をはじめ多くの皆さまが参集され、
また、昨年の受賞者の町田樹さんと第11回受賞者の金子薫さんも参加され、
第17回受賞者の永井玲衣さんと第2回哲学甲子園の優秀作品の作者の方々を表彰し、
その前途を会場の全員がお祝いする楽しい一夕となりました。
受賞者の永井玲衣さんには、町田樹さんから正賞リング「メビウスの帯」が授与され、
金子薫さんからは、お祝いの花束が贈呈されました。
また、哲学甲子園の最優秀作品に選ばれた作者の山﨑優仁さんと、
優秀作品の岩間絢子さん、大森美徳さん、下田尾佐保さんも登壇され、
入選者を代表して山﨑さんが受賞スピーチを行なった後、
永井玲衣さんから記念品のNPOオリジナル図書カードが全員に贈られました。
下田尾さんは、昨年の第1回に続けての受賞です。
永井さんの受賞記念講演「暴力に抗して」では、
永井さんが進行役で参加されてきたさまざまな「哲学対話」の様子が紹介され、
参加者同士がゆっくりと聞き合い、じっくり考え合うことの大切さと、
その過程において「変わること」を恐れない意義が語られました。
対話こそが暴力に抗する唯一の道であると強調された永井さんの言葉からは、
たんなる書き手にとどまらない哲学の実践者としての姿が窺われ、
対話の可能性を信頼する永井さんご自身のあり方が感じられるものでした。
続いて行なわれた永井玲衣さんと町田樹さんの対談は、お二人のご著書の
『水中の哲学者たち』『若きアスリートへの手紙』のお話からはじまりました。
「永井さんの本にはたくさんの問いが並んでいるが、答えはあるのか(町田)」
「答えのない問いを問うのが哲学だ、という言い方はあまり好きじゃない。
正解でなくてもその人の答えはある。答えに至る努力を惜しみたくない(永井)」
との対話で盛り上がり、やがてお二人は、哲学甲子園の優秀作品に触れながら、
「書くという行為の中で、考えが生まれているのではないか。
書くことと考えることのつながりはメビウスの輪のように続いてゆくのだろう」
という町田さんの印象的な言葉で閉じられました。
その後、別室にて、数年ぶりとなる祝賀懇親会が開催されました。
受賞者の方々を囲んで多くの参加者の和やかな歓談が続き、
盛況のなか、午後8時半に散会しました。
表彰式にお集まりいただきました方々に、あらためて御礼を申し上げます。
ご参加が叶わなかった皆さまも、ぜひ、次の機会にお越しください。
NPOの会員の方々には、表彰式の様子を収めたDVDを後日、お届けいたします。
なお、対談のさなか、出版クラブのスタッフが具合を崩した折に、
その場で手当てをお手伝いいただいた参加者の方々に心から御礼申し上げます。
スタッフの方も、翌日には元気に快復されていました。